ただ、そばにいて
「いつの間にか、朝海が全然知らない人みたいになっていくのが寂しかったし、嫌だった。知らない男と一緒にいるのも……」



甘い吐息を漏らす私の耳元で、初めてナツが心の声を聞かせてくれた。

……知らなかったよ、ずっと同じ気持ちだったなんて。

身体を反転させられ見つめ合うと、とても色っぽい表情でナツが言う。



「俺が知らない朝海の全部を見せてよ」



──それを拒否する気なんて毛頭ない。

水着の紐に手を掛け、隠しているものをすべて取り払うと、また熱く抱き合いながらキスを交わす。

そして、お互いの身体を弄びながらシャワーを浴び終えると、何も身につけないままナツの部屋のベッドへなだれ込んだ。


指を絡ませ、身体中に優しいキスを落としていく彼の下、私はまるでバージンであるかのように心臓が張り裂けそうだった。

年上の余裕なんて欠片もない。

ただナツがくれる愛撫に酔わされるだけ。



「や、あ……っ」

「いきそう?」

「んっ、もう──」

「いいよ。朝海のこと、たくさん気持ち良くしてあげたいから」



健気なことを言うナツが、何よりも愛しくて堪らなくて。

私から溢れ続ける蜜を舌で舐め取られ、そこに差し込まれた指で刺激を繰り返されると、私は簡単に達してしまった。



「朝海、可愛い」



くたりと力が抜ける私の脚を開き、その間からナツが妖艶な笑みを覗かせる。

そして、余韻がさめないうちに私を貫いた。

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