ヤクザの家族になっちゃった!?
龍之介side(昔。)
龍之介side
俺が、8歳の頃。
親父と母が離婚した。
正直俺はこのときのことを鮮明に覚えてる訳じゃない。
ただ、このとき俺は
泣くことも、止めることをしなかった。
ただ、なにも言わず、なにも思わなかった。
離婚
ということ自体、細かくは理解してなかったのもあるけど、
きっと一番は
あの人を母親だと思えなかったからだ。
彼女は俺を見て必ず舌打ちをした。
近寄っても、話しかけても
無視を貫く。
それだけではなく、俺の世話なんて一切せず、
お手伝いさんの緑子さんに任せてたんだ。
俺からすれば、そんな女より緑子さんの方がお母さんみたいで、
他の誰よりもなついてた。
反対に緑子さんも、
時に厳しく、時に優しく、
俺を育ててくれた。
たぶんこのとき、俺のことを一番知ってたのが彼女だったんだと思う。
そんな彼女にも家族がいて、
いつも幸せそうに家族の話をするんだ。