ヤクザの家族になっちゃった!?



私は涙を止めようと精一杯力を入れる。

けど、それはなかなか止まってくれなくて

涙が収まるまでずっと、

二人は私に抱きついたままだった。

「いずねぇ大丈夫?」

コウが心配そうにのぞいてくる。

私はしゃくりあげながら

「ばかっ!なんで急にいなくなるのぉ…」

そう言って抱き締める力を強める。

「だってね、いずねぇにねっ…」


私のこんな取り乱した状態がはじめてで困惑したのか、

怒られてることがわかったのかわからないけど

泣き始めた二人。


二人の背中をポンポンと叩いて、落ち着かせてたら

急に私から離れた二人。


二人は涙でぐしゃぐしゃの顔で


「「いずねぇにね、プレゼント…」」

そう言って渡してくれた。


二人がくれたのは


透き通った水色の

綺麗な小さい石だった。


美幸が続ける。

「さっきね、おにーさんたちが話してたの。
これ、ここにあるんだって。」

驚いて言葉がでない私。

コウが続ける

「いずねぇ、水色、好きだよ?」


そう言って涙を拭き取り笑ったコウ。


「幸子が見張りしてる間にね
これを探そうってなったの。」

そう言ってしょぼんとした美幸。




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