ヤクザの家族になっちゃった!?


コンコンコン

扉をノックすると

「誰です?」

龍之介さんの声がした。

家にいるときより学校にいるときの方が話すってゆうか、無口じゃないってゆうか…

学校にいるときは気を使ってるんだろうなって。

最近ちょっと思いだした。

なんて、そんなことはどうでもよくて…

「草薙です」

と一言かける。

すると、

中からこつこつと靴のおとが聞こえたかと思ったら

ガラッと扉があいて、

いつのまにか私は中にはいってた。

龍之介さんが私を抱き締めるように引っ張ったからなんだけどね。

だから私は今、

龍之介さんの腕の中にいる。

やっぱ、おっきいなぁって思う反面

全く慣れないためドキドキしてしまう。

…心臓の音、聞こえてないといいな。

なんて願いもむなしく、

龍之介さんは嬉しそうに笑って

「ドキドキしてるな」
って。

デリカシーないなぁなんて思いつつも

笑顔にキュンとしちゃう私。

私ほんと、龍之介さんには弱いわ…


なんて、感心してたら、

「俺に…会いに来たのか?」

不意に耳元で囁かれる。

私は思わず頭を縦に降った。


まぁ、実際まちがえてるわけじゃないけど…

私は私の体を離してくれない龍之介さんに

軽いキスをして、

油断させて拘束から抜け出した。


軽いキスをして…なんて、簡単にいってるけど

実際心臓バックバク。

多分顔もタコみたいだと思う。

いつまでもおさまらない心臓の音をないことにして

私は放心状態の龍之介さんに弁当を渡した。

龍之介さんは無言で受けとる。


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