ヤクザの家族になっちゃった!?
「いずみー!!」
るりがかけよってくる。
「どうしたの?」
「私たちの休憩時間、三十分だって!!」
「えぇ!?なんで!?
他の人一時間はあるでしょ!?」
「四人がいないと回らないからって!」
「四人?」
「私といずみと竜と大河!」
「まじかぁ…今、二人抜けていいの?」
「うん!
だからさ、一緒に回ろ?」
そう言ったるりの後ろに
両手を顔の前で合わせてお願いしてる大河がいた。
…仕方ないなぁ。
私もるりとまわりたかったけど…
「大河と回りな?
ってか、大河の視線がいたいから…」
私がそういうと
「んー。そーするね
ごめんね、いずみ…」
ってしゅんとしたるり。
か、かわいい…
「平気よ!いってきな!」
私はそう言ってるりをおくりだした。
るりと大河がいなくなった分、
忙しくなったので、
さっきよりもペースをあげて仕事をする。
お客さんの相手も出来るだけ早く済ませる。
なんてことをやってたらさっさと時間がたった。
るりたちがもどってきたので、
私と竜が休憩にはいる。
なんて、休憩っていっても実際休憩なんかにならないのよね。
まずはご飯を買わなきゃー!
ってことで猛烈ダッシュで他の店にいく。
三十分でご飯買って、食べて…ってのは辛い…
なんて心のなかで愚痴りつつも
二人で協力して買ったので
早めにお昼にできた。
「ねぇ、竜、どっか座って食べよ?」
「あー、座る場所か…
あ。いいところあるぞ。」
「あ。まじ?
つれてけー!」
「しゃーねーな!」
なんて話ながら向かった先は
中庭…?
「ね、ここ虫出たりする?」
「あー、お前虫嫌いなんだっけ…
多分出ないだろ
今冬だし。」
…ん、
冬って言うほど寒くないけどね…。
暦上は一応冬って感じだよね。
12月だし。
「まぁいっか。
さっさと食べて移動するしね」
私は心のなかで強く強く虫が出ないことを願いながら
ベンチにすわる。
たくさんかったけど、まずは焼きそばだね!
なんて考えて口に運んだ
「うお!これうまいよ!」
うん。
ほんとにうまい。
のにさ、せっかく教えたのにさ!
「お前…ほんとに女かよ」
とか言いながら私の焼きそばを奪う
なんなんー!
「おいしゅうございますーー!?」
「そうでもない」
……え。
「私の焼きそば譲ってやったのに!」
「お?
俺がかってきたんだぜ?」
「あ、そっか。
ん?なんかおかしい」
「…いいから早く食え」
そう言っておにぎりを渡してくる
「くるしゅうない」
「…少し黙ろうか」
「え、なに?聴こえない」
「黙れアホ」
「あ、アホっていったね?
今、アホっていったね?
あーあ。やっちゃったねぇ…!」
「いいから黙れ!」
小声で竜が叫んだ。
むっ。
慌てて口を閉じる
なに、なにごと!?
なんて思いながら竜が見てる方向を見ると
芝生の先に龍之介がいた。
多分、向こうからは見えてない。
…え。一人じゃない?
もう一人は…誰?