ヤクザの家族になっちゃった!?


支度が整い、パーティー会場へ向かう。

おっちゃんたちと同じ車に乗ろうと思ったけど、

龍之介さんが私を引っ張って自分の車にのせた。

せっかく車運転しなくていいのに…

って思ってたら

「あそこにいると密着するから」

って。

きついの嫌いなのかなぁ?

って思って、あんまり近くにいかないように座ったら

遠い。

と一言いって、

私の手を握った。

しかも、恋人繋ぎ。

「ちょ、これで運転できるの?」

そう聞くと、

少し黙って

「お前が離れるから」
って。

質問にたいしての答えではないけど

嬉しすぎた。

「じゃあ、私ここのまま動かないから、運転して?」

私がそういうと

無言でうなずき、手を離した。


そのあとはいつも通り無言。

音楽も流してる訳じゃない

けど、ほんとに心地がいい。

不思議よね。

「そろそろつくぞ」

あまりに心地がよくなってウトウトしてたら

そう声をかけられ、気を引き締める。



会場について、車を降りると

龍之介さんは手をさしのべてくれた。

私はその手をしっかりと握り、

龍之介さんの横を歩いた。


…でかい。

会場を目の前にすると特に思う。

ものすっごくでかい。

しかも何この人数。

多すぎでしょ…

なんて半分あきれたようなじょうたいになってたら、

龍之介さんにいろんな人が声をかけてきた。

外人さんだったりとか、

どこかの社長さんだったりとか

国民的アーティストまで。

すごい…すごすぎる…。

なにこの豪華な感じ…

私、場違いな感じがする…

思わず腰が引けてしまったけど、

隣にいる龍之介さんが

私の方を見て微笑んでくれたので

少し安心して、

挨拶回りに付き合った。


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