ヤクザの家族になっちゃった!?



「一年半だけ、距離を置こう。


それまでお互いにやるべきことをこなすんだ。」




やるべきこと…


私のやるべきことはわかってる。

けど、龍之介さんのことは…?


「龍之介さんの、やるべきことは…なんですか?」


「…それはまだ、教えられない。

だから、あと一年半。

一年半だけ、離れよう。」




…どれだけ辛いんだろう。

どれだけ苦しいんだろう。

他の人にとってはたった一年半。

だけど私にとってはもっと長くて苦しい。

地獄にでも突き落とされたようなんだろう。


でも、

信じるから。

きっと、戻れるって信じてるから…。




だから、



「はいっ!」


きっと、龍之介さんだって、簡単にそう口にした訳じゃない。

私がこの一年半で学ぶことも多いだろうし

きっと、龍之介さんのことだって見えなくなる。


自分に精一杯になって

きっと、ダメになる。


それなら、ここで一度離れるべきなんだ。


そう、わかってるけど、

やっぱり、悲しい。

切ない。


苦しいよ、

自分でいったことなのにね。


こんな、駄目だよね。


ほんと、こんなんじゃ、いつまでたっても、龍之介さんには追い付かないよ…。






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