ヤクザの家族になっちゃった!?
車について、
乗り込もうとしたら
先に乗っていたらしい奈美恵さんに押し返された
そして
「ほら、いずちゃんはむこうよ!」
そう言って、
指を指したさ気に視線を送ると
車に寄りかかる龍之介さんがいた。
私は思わず駆け出した。
あーぁ、
ほんとはもっとスマートに再会しようと思ってたんだけどな
だめだ、
顔を見ただけで
抱き締めたくて、
龍之介さんに触れたくて…
その思いが通じたのか、
龍之介さんは手を広げてくれた。
私は迷わずその胸へ飛び込んだ。
龍之介さん、龍之介さん、龍之介さん…
この温もりに触れたくて
龍之介さんの声を聞きたくて…
「龍之介さん…っ!」
「ん。」
「あなたのとなりはまだ、空いてますか…?」
彼はなにも言わずに
私の首にかかったネックレスを外し
その指輪をわたしの左の薬指にはめた。
…大好きだよ、
これからずっと、一緒にいようねー…
『ヤクザの家族になっちゃった!?』完