ヤクザの家族になっちゃった!?


るりはコトが終わると俺に聞いてきた。

「私たち、これで何回目だっけ?」

「今日含めて三回目だな」

俺が答えると、

「一回目は私が誘ったからだけど、

二回目は敗北?

三回目はなにがあったの?」

俺は前のコトをこいつに相談してた。


けど、何があったか聞かれたことはなかった。

多分、聞きたくなるくらい、

俺が乱暴だったんだろう。

申し訳ないと思いつつ、説明する。

あの男が学校にいたことを。

るりは黙ってその事を聞くと、

笑いながら言った

「竜らしくないねー、いつもなら、

俺が取り返してやる

とか言うのに。今は逃げてんじゃん。」

そう。ずばっと。

確かに、今の俺は逃げてる。

フラれるコトが怖いんだ

関係が壊れるのが怖いんだ。

でも、関係を変えたいんだ…

前の俺なら何て言ってた?

きっと、いまるりがいったように、

強気な発言をするだろう。

でも、それは和泉に特定の相手がいなかったから言えたんだ。

それがいる今、

それを言うことができなくなったんだ…。


俺の表情で悟ったのか、

るりは、少し困り顔で

「関係なんて、壊すときは壊せばいいんだよ。

積み木みたいに崩したあとにまた組み立てればいいんだよ。

もしかしたら前より下手になるかもしれないけど、

もしかしたら、前よりなん十倍もうまくなるかもしれないよ。

確率的には半々なんだよ」

そう言って笑った

るりは馬鹿な行動ばったかだし、

短気でわがままだけど、

素直で正直でたくさん色んなコト考えてる奴なんだ。

それはきっと、和泉が知らない事実。

和泉はるりに“ばか”のレッテルを貼ってるから

きっとわかれないだろうな。

なんて、結局和泉に話がいくなんて…

きっと恋をしなければわからなかった。

もう、その時点で崩れてるんだ

もう、手遅れ。

それならいっそ、

うまくいくことを願おう。

付き合えても

フラれても。

うまくいくように頑張ろう。

俺はそう決めてからるりに言う。

「お前はどうするんだ?」と。

るりは笑いながら

「私も、壊すよ。今の関係を、ぶっ壊す」

そう言った

俺たちはこれから

革命をするんだ

俺たちの関係を左右する

革命を。

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