ゆり

「間に合った〜!」

駆け込み乗車は危険です
そんなの
真っ向から無視して
さゆりは電車に
駆け込み乗車

乗り込んだ瞬間
さゆりの声が
静かな電車内に響き渡った。

さゆりは、
急いで座り、俯いた。

座って窓から
見えるのは、
ほとんど
田んぼや畑ばかり。

田舎のローカル線では
朝のラッシュ時刻でも
とても静かである。

1時間に1本しかない

同じ学校の友人たちは、みんな車で通学している
さゆりは
都会から一人暮らしで
学校に通っているため、車は欲しくても、買ってもらえなかったのだ。

だが、
さゆりには、
見える景色すべてが
美しく、新鮮であった。
< 3 / 13 >

この作品をシェア

pagetop