ゆり

いつものように
がたがた鳴る電車に
揺られながら、
向かい側の窓から
一面の田風景を眺める

向かい側に座る
ひとりの少女と目が合った。


もしかして
ずっと
見てると思われた?
違うよ!?
誤解だよ!?
あたしは、
あなたの後ろを
見つめてたんだよ!!


さゆりが
ジェスチャーで示す

急に、
勢いよく
首と手を降り出した
さゆりに周りの
乗客たちの
視線が集まった


顔を真っ赤にして
俯いたさゆりを見て、
少女は、小さく笑った。

なんて
かわいい子だろう

なんか
消えていきそうな
儚げな子だなぁ
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