ゆり

心地よく雨音が
ゆりかの聴覚を刺激する
あたしも
雨になりたい

ぼんやりと、
ゆりかは思う。

駅に着くと
電車はすでにホームに停車し、
出発を待ちわびているかのようだった

ゆりかが電車に乗りこみ座ると同時に、
ホーム案内のアナウンスがなる。
2つしかないホームで
間違えた人は、
すごくかわいそう…
ゆりかは思った

笛の音が鳴り、
戸が閉まる…

直前に、
少女が駆け込んできた

「間に合ったー!!」

少女の声が、響く。

騒がしい子…と、ゆりかは思った。

少女は、肩を上下させ、息を整える。

元気な子だなぁ…
なんて、ハツラツとした子なんだろう。

ゆりかは、少女から
目が離せなかった。
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