君の明日は、私の明日



「心配すんなー… あいつは、もう…大丈夫。ちゃんと、愛美とお別れできたからー…」


俺がそういうと栄華が顔をあげた。



栄華はビックリしていたが涙を流していた。



分かっている。


栄華は、乃愛が…大好きなんだ。


乃愛は…英華にとって一番の親友。

英華は…乃愛を本当に大事に思っているから…



乃愛の涙は栄華の涙。

乃愛の笑顔は栄華の笑顔。



俺だって一緒さ。


乃愛の明日は、俺の明日なんだ。


「それ……本当?」



俺は栄華の頭を撫でながら頷いた。



「よ…かった……ーー…」



栄華はそういうと顔を伏せて力なく泣いた。



5年前から、栄華の願いは一つだけだったと思う。



栄華は、乃愛のことを思っていた。



なかなか、愛美さんのことの心の傷が癒されないからー……






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