君の明日は、私の明日
外をみると…乃愛が一人でベンチに腰をかけて本を読んでいた。
俺はすぐに乃愛のところに向かった。
「乃愛!」
俺は乃愛に声を掛けると乃愛は顔をあげた。
一瞬笑ったと思ったがすぐに顔をしかめた。
「なに……邪魔しないでくれます?今、大好きな小説読んでるので…」
いつも俺に対しては敬語を使う乃愛。
それは今でも変わらないけど、喋り方がキツくて胸に響く
乃愛は、小説なんて…好きじゃない…
大好きっていうほどの小説…
俺は乃愛の読んでる小説の表紙を覗いて見た。
「"この世界の罪"……それ、愛美がよく読んでたやつだな」
俺がそういうと乃愛の顔が曇った。