君の明日は、私の明日
「………そうなのかも……いい加減、先輩に振り回されるの、限界だったかもしれないです……ーー」
乃愛は下を向いてそう言った。
「それに…先輩には、私に嫌がらせしてるように見えます。お姉ちゃんのこと、思い出せって言ってるみたい…」
お姉ちゃんのことを思い出せ…
それはきっと、俺があいつらにプリンメカのチケットを渡したことー……
俺はそんなこと思ってない…ーーー
第一に、愛美を忘れたような言葉出してんじゃねぇ……
思い出したくないって言ってるみたいじゃねぇか……
もう、忘れたって言ってるみたいじゃねぇか……
「お前に、愛美のことを忘れるのは…無理だろ」
乃愛は首をふった。
「もう、忘れてました。ーー……ていうか、お姉ちゃんが死んで私の心が折れそうになった時…先輩はそばにいませんでした。そして、今お説教するんですか……最悪ですね。いざとなった時は、そばにいないくせにーー……」
乃愛…なぜそんなことを言えるんだ?
俺のことが嫌なら、いやって言えよ……
俺も、心が折れそうになるー………
「ごめんー……ここ…1ヶ月以上も全然お前の気持ちに気づいてなくてごめん。もう、解放するから……」
「それ、別れの意味でとっていい?」
俺は立ち上がって乃愛に背中を向けた。
「ああ、いいさ。しばらくの間、心を癒してくれてありがとな」
俺はそういうと…乃愛をおいて、家に帰った。