君の明日は、私の明日
確かにー…お姉ちゃんの声だったんだ……。
でも…その一言は…私の心を真っ黒に染めた。
「お姉ちゃん……私のこと……覚えて…ないの…??」
「はぁ?あんた誰なの??ねえ、昴…この子と付き合ってるとか、言わないでよねぇ?」
乱暴な言葉使い……。
それでも…それは絶対に愛美お姉ちゃんだった。
「付き合って…ねぇよ。」
また、胸がズキっと痛んだ。
「ねえ…もしかして……記憶喪失…??ねえ、愛美(まなみ)お姉ちゃんっ‼‼」
「やめてよ、気持ち悪い……私…愛美(まなみ)じゃなくて……愛美(あいみ)なんだけど……」
「……えっ……」
お姉ちゃん…記憶なくしてるの…??
だって私のこと……忘れるわけがないー……
私は、その時…すぐに頭が回った。
お姉ちゃんの名前は…まなみ…あいみじゃない……同じ字で二つとも読めるけど……
「お姉ちゃんは、愛美(あいみ)じゃないよ!!お姉ちゃんは愛美(まなみ)だよっ!!愛する字に美しいという字…まなみでもあいみでも読めるけど……お姉ちゃんはあいみじゃない!まなみなんだってばぁ!!」
私はお姉ちゃんと先輩を引き離してお姉ちゃんに抱きついた
「お姉ちゃんっ…嘘だよね?……私のこと同じ字で覚えてるよね?!!乃愛だよっ!!私、乃愛だよっ!お姉ちゃんの妹なんだよぉっ………!千尋さんと私とお姉ちゃんとよく一緒に遊びに行ってたじゃん!!思い出してよっ………冗談…やめてよ……じゃあ、なんでここにいるのよぉ…ーーー…ねぇっ…ねえってば!」
私は涙を流していたー……
「………し…知らない……とんでもない…人違いしてるみたいだけど…?」
どうして……
なんどもお姉ちゃんに会いたいって……謝りたいって思っていたー……
だけど、こんな再開はないよぉ……
なんで忘れてるの?!
すべて…忘れちゃったのー…?
お姉ちゃんが言ったあの言葉もー…あれも…これもっ……
もう、頭が混乱してー……わけがわかんないよぉ
「乃愛…今日は引け…こいつは…南河愛美(みなみかわ まなみ)ではない……水無月愛美(みなづき あいみ)だ。」
先輩が低い声でそう言ってお姉ちゃんを抱きしめる…
「違うよっ!先輩だって知ってたじゃん!!………どうしてよ……お姉ちゃんになにしたのっ?!?! あいみって誰だっ?!ふざけないで………頭が混乱して………もう………」
私はその場に倒れこんだ。
「う……わあああっ……ふっ…ひっく……お姉ちゃんを…返せええっーーーー!!」