君の明日は、私の明日
「お前、バカか?!」
「ば…っ…バカじゃないわよ!!私はみんなの事を思って…!!」
「みんなの事を思って?!本当に思ってんなら、帰って過去と同じにしろよっ!!現実から逃げて…奴らを悲しませてるだけじゃねぇかよっ!!お前が戻ってやったら…みんなにどんなに喜んでもらえるか知ってんだろ?!ー……ざっけんなよな…ぁ?」
………ーーーー
そうかもしれない……
私が戻ったらみんな喜んでくれるかもしれないー……
でも…5年間もいなくなったんだよ…
5年間も良奈たちに助けられたー……
もう…過去には戻れないよ………
帰るのが怖いんだよ…
すべてが変わっちゃったからー……
変わってしまった家も、私の部屋も、友達もすべてが怖いのー……
それに…詩織さんや良奈を悲しませたくないー……
良奈は、ちゃんと家族の家がある…私が詩織さんをおいてったら…詩織さんは一人になるー……
"お前みたいな可愛い小娘さんがきてくれて…わしゃぁ嬉しいよ?"
"じゃあ、詩織さんと一緒にいますよ?"
"本当か…それは、嬉しいことじゃ…"
「お…おい?愛美?」
「………あんたには…こっちの事情…わかんない…」
私の目には涙がすでに浮かんでいた。
すると、周りから健の匂いが漂った。
気がつくと私は健の中にいたー……