君の明日は、私の明日



「な…なに?」


私が聞くと、深尋はニッコリと笑った。


こんなに近くにいるのにー……

汗かいてるのに汗臭くないなんて…


深尋、本当に男? ……なんて…



「お前、兄貴のこと好き…なんだって…?」


深尋は何処かと奥を見るような目でそう言った。


知ってるんだー………



「うん……叶わないってことも自覚してるよ。」


「そ…うか」


私は頷いた。


「あ、その小説…」


そう言って深尋が私のの持っていた小説パラパラめくり始めた。


「ちょ…なにすん…」


「ほら…」


そう言って開いたページには時計の絵が書いてあった。


綺麗なデザインで…バラと絡みつく蔦の絵が描いてあるとっても可愛いより、綺麗な時計の絵…


「俺の大好きなページさ……」


私は絵の下にある文字を読んで見た。



その字を読んで私は泣きそうになったー……


「な?………なにかあったら……俺が慰めてやるからー…」


私は顔を覆ったまま頷いたー……

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