君の明日は、私の明日
私は深尋の胸の中に飛び込んだ…
「ねえ、深尋……私……なんで先輩を好きになったんだろ…」
私は深尋の腕の中で顔を隠したー……
深尋はゆっくりと腕を私の後ろに回した。
「恋だからじゃねぇか?」
「そんなのわかんないよ!!!!!!こんなの絶対に叶わないんだもん!!!時間を重ねるに連れ苦しくなるだけ…悲しくなっちゃうだけ!!……それだけなんだから!」
深尋の服は涙で濡れていたー……
だって抑えられないんだもんー…
嫌いになんかなれないー……
諦められないー……
「先輩には…彼女がいるんだもんー……5年前からずっと…お姉ちゃんがいなくなってもずっと想っていたんだよ?!そんなのに勝ち目ないじゃんー……入る隙…ないじゃん……」
わかんないよっー……
私前まで深尋が大好きだった…
深尋のことを諦めるなんてあり得なかった。
深尋のことを好きじゃなくなるのを…恐れていたー……
なのにどうして…時間は私たちの心を揺さぶるの…?!
「なんで……兄貴なんだよ…」
「え?」
ひどく切ない声が上からふってきたからすぐに顔をあげたー……