君の明日は、私の明日
顔をあげるとそこには深尋の顔があった。
ひどく悲しそうな顔をして涙がたまっていたーー……
どうして、そんな顔するのよ……
「……なんだよ……なんで、俺じゃあダメなんだよ…」
「……えっ…ーー…」
深尋の涙は零れ、私の頬に当たったー……
暖かくて…切ないー……涙…
深尋の重い気持ちが入っているー……
「俺…じゃあ、ダメなのかよ…俺だって、お前のこと……好きなんだよっ!!」
「……へっ…」
突然の告白に目の前が真っ白になったー……
深尋は泣いているー…
ねえ、どうして……
私も深尋が初恋の人だったんだよ……
どうして、恋愛感情はこんなにも早く消えてしまうのかなー……?
誰かが誰かのこと想っているなら、その人も自動的にその人が好きになるといいのにー……
そんな魔法、ありえないよねー……
「深尋……ごめんねぇっーー…深尋っ…うっ…私、深尋の気持ちにはー……」
そう言った途端唇が塞がれたー……
それは暖かくて涙の味で恋した二人の辛さや悲しみが入ったものだったー…
「ごめんなー……乃愛…」
唇が離れたと同時に深尋は甘い声でそう囁いた。
なんで謝るのよー…
深尋はなにもしてないよーー……