君の明日は、私の明日



ーーーーーー………



私はソファーに座る昴にお茶を出した



「ごめん…本当に…信じられなくって……」


私の頬に一筋の涙が流れた…


でも、それ以上は流れなかった



詩織さんは…全然知らない私を…5年も育ててくれた……



「……死因は…?」


「わかんない……もう、としだったから」



私はお茶を一口飲んだ



「………生きるって不思議だよな………」


私は何も言えなかった…。



不思議……かぁ…



「さっき、乃愛がトラックにはねられそうになって、死にそうになった」



「えー…っ乃愛が?!」


私は昴の顔を見つめた…



死にそうになったって……


まさか…自殺とかじゃないよね…??



「………乃愛…あの時…泣いててさ…目の前のトラックに気がついてなかった…俺がいなかったら、あのトラックの大きさだったら死んでた」


私は泣いてしまった。



なんで……もっと自分のこと大切にしないのよ…


なんで……泣いてるの?


乃愛……やっぱ、そばにいないと…何も聞けなくて…何もアドバイスできなくて…辛いよぉ



乃愛………






< 238 / 285 >

この作品をシェア

pagetop