君の明日は、私の明日
「なんで…泣いてんだよ」
「…………乃愛が…そのまま事故にあってたと思うと…」
私は涙をふいた
昴は優しく私の頭を撫でた
「お前……記憶…戻ってんだろ?」
「……えっ…」
あり得ない言葉に私は一瞬心臓が止まると思った…。
なんで…なんで知ってんのよ……。
どうして……
私は冷や汗がかいてくのをしっかりと感じた。
さっきまで流れていた涙は止まった
すると昴は私の頭を軽く抑えて昴の胸に近づけた。
目の前が真っ白になるー……
昴のシャツだったー……
「気づいていながらも……言い出せなかった……」
そう優しい声を私にふりかけた。
「き……気づいてたの…?」
「ああ……お前が乃愛におくる悲しそうで、愛しい眼差しー……乃愛のこと…覚えてねぇわけねぇじゃん……」
そう言われて私は泣き出したー……
昴にはお見通しなんだね…全部ー……
栄華みたいに鋭くて頭がいいんだ……
「お前が乃愛のとこにいけねぇのは理由があんだろ……俺はよくは知らねえが、だいたい分かる…」
私はだだ泣きながら頷くことしかできなかったー……
「行ってやれよ。俺がお前の背中を押す。」
昴はそう言って私の髪の毛に優しいキスを送ったー……