君の明日は、私の明日
「ど…どういうこと……?」
千尋は確かオーストラリアに行ってるはず……
親の都合で…健は一人暮らしして残ったけど…
「……千尋…帰ってきてんだよ、健のアパートで…多分昨日じゃね?」
え……知らなかったー……
「ていうか、健と昴って知り合いだったの?!」
昴はまた、悲しそうな目でニッコリと笑った
「……知り合いも何も…悩みを打ち明けて相談に乗ったりする仲だ…つまり……親友」
「し……知らなかったー……」
「だから、お前が千尋のこと想っているのは…知ってる……」
えー……
私は一瞬心臓が止まるかと思った…
なんでー……健が言ったの…?
なんで……私は昴と付き合ってるのに……健も知ってたはずなのにー……
「ご…ごめ、昴…でも…それはっ…違うんだって…」
「いや…小さい頃に…お前、乃愛に囁いたんだろ?"大好きな人の幸せを願え"ってな……俺も、やることにしたよ」
昴は私の左手にある千尋からもらった指輪を見つめた
その時の昴の表情は悲しいようなでも、嬉しそうなー…