君の明日は、私の明日
「………しねーから…そんなの」
先輩はそう低い声で言った。
「……そんなの、普通に男子の精神関係で普通じゃないでしょ……乃愛に変なことしたら、先輩だろーと許さないからね」
私は先輩を睨みつけた。
乃愛には…絶対に…あの辛い思いをさせたくない。
騙されて欲しくないの……
「てめぇ、まだあの時のことを……」
「うるさいっ!!!!!!!!」
気づいた時には先輩に怒鳴りつけていた。
あの時……
思い出したくない…
「おま……」
「それ以上言ったら……殺すから」
殺せないけど…
私はそう言って先輩を一人残して階段を降りた。