君の明日は、私の明日

「てめぇが、兄貴のこと本気にしてなかったって知ってる。とっくにな…兄貴は俺の話を信じてくれなかったけど…」


「ふーん?いつから?」


「最初からだ。そして、公園で男にキスしてるとこ見て確信した。兄貴も、馬鹿さ。なにも気づいてなかったし」



こいつはー……

兄貴をめちゃくちゃ傷つけすぎた。


最悪な別れ方で別れてー……



「そう…でも、お互い様よ。良奈は彼を踏み台に使った。大好きなあの人に近づけるためにね。良奈はもう昴のことなんとも思ってないし、深尋ももう良奈のこと…なんとも………」



「ざけんなっー……!!!!」


俺は、良奈の胸ぐらを掴んだ。


怒りが……怒りが止まらない…



兄貴は…泣いてた。


大事な大事な日に最悪な別れ方をして……

なぜ、こいつはこんなに普通にしていられる?!



「ーー・・・殴るつもり?本当のこと言ってるだけよ」


さすがに…俺だって女は殴れねぇ…


でも…


「殺す…。」


「うふ……あははははっ!!!!」


「なっー…」


良奈は俺に胸ぐらを掴まれたまま大笑いした。


真っ暗な帰り道に良奈の笑い声だけが響いた。



こいつー…いかれてる?
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