君の明日は、私の明日
「ちぇ、なんでだよ」
舌打ちをする深尋に正直私は、腹が立った
ーーーしつこい…
ていうか、本気で忘れるとか…
「ここから、南にある海…覚えてないの?!」
「だから、あの海に何があんだ!!⁇」
私が少し大きな声を出すと深尋も怒鳴り返してきた。
私はふうっとため息をついた。
ばかばかばかばか…!!!!
この、名前は…言いたくなかったんだけど……
「愛美(まなみ)ちゃんのこと……五年前……本当に覚えてないの?!」
私がそういうと、深尋の顔色が変わった。
目を大きく見開き青ざめて行く…
「思い出したようね……」
「………あ…あぁ…」
深尋の額汗が滲んできた。
気持ちはわかるけどね……
「すっかり…忘れてた……大丈夫か、乃愛は…」