君の明日は、私の明日
『や、やだ!!!! カードが…っ!!』
お姉ちゃんはそう言って海に飛び込んだ。
カードは、プラスチック製だったから濡れても破れないし、また乾かせばいいものだった。
『ちょ、お姉ちゃんっ?!だめ、やめて!戻って~風邪ひくよ!! カードならまた書いてあげるから!』
私は、海にいるお姉ちゃんに叫んだ
その時は…「死」 なんて考えてなくて… 寒い中、海に入って「風邪」をひく事しか考えてなかった。
『ダメだよ!あれは、大事な妹が書いた、大事な日のための大事なカードなんだから』
お姉ちゃんは下半身を水につけて私に笑いかけた。
嬉しかった。「大事な妹」……
あなたも、『大事なお姉ちゃん』だよ
浮かれてたのかもしれない。
気がついたらお姉ちゃんは結構遠くにいて……結構深いとこにいた。
やばい……
『お姉ちゃん!!もう戻って!!!!』
私が叫んでもお姉ちゃんには聞こえてないようで……
でも…次の瞬間…私の目の前は真っ白になった。
何が何だかわからなかった。
ただ…感じたのは………頬に伝う暖かいものだけ。
……お姉ちゃんが波に飲まれた