君の明日は、私の明日



「うん……そう…なんだ。
ほんとは、小さい頃から好きだった
もう、振り向いてくれることもないと思うけど」



そう…
優しいところが好き。
たまに口が悪いとこが好き。
騒がしいとこが好き。

全部が好きなんだ…


「やっぱり…まあ、気づいてたんだけどね」


そう言ってにっこりと爽やかに笑う栄華


「気づいてたの…?!」


私が目を見開いてそう聞くと栄華は頷いた。


「なんで…告白しないの??」


栄華は寂しそうな瞳で窓の外を見つめて静かにそういった。
どこか悲しそうなのは…気のせいなのかもしれないけど


「わかんない。深尋は私のことなんとも思ってないんだ。
たぶん……10年以上も一緒にいれば…そういうものなのかもね。」


< 9 / 285 >

この作品をシェア

pagetop