君の明日は、私の明日
『やだやだ!!お姉ちゃんっ…!!!!お姉ちゃあああああんっ!!!!!!お姉ちゃんっ!お姉ちゃんお姉ちゃん!! 戻ってきて、おねがぁぁっい!!』
私は声が枯れるまで何度も何度もお姉ちゃんを呼び続けた。
しばらくすると、パトカーが来た。
泣いている間に千尋さんが呼んだらしい。
私はもう、泣き疲れて声も出なかった。
ただ、涙が静かに頬を伝うー……それだけ…
遠く広がるその海をじっと見てた。
そう見てると、ちょこんと「ぷはーっ」って言いながらお姉ちゃんが出てきそうでー……
私があげたカードを持って「見つけたよ、乃愛のカード」って笑顔で戻ってきそうな気がして……
『乃愛、千尋くん!!愛美は?!』
お母さんの今にも泣き出しそうな声が響く。
見知らぬ女の人が座り込んでいた私に、タオルを優しくかけて顔を覗いてきた。
『大丈夫?』と…私は何も言わなかった。
喉が痛いー……喉よりも…心がずっとずっと痛かった。