君の明日は、私の明日



結局、私には…お姉ちゃんを思って泣かないようにするのは無理だったんだ……



私は身体を深尋に預けてまだ静かに泣いていた。



" まだまだ、乃愛は若いよ?これからいろんな辛いことが待ってるけど…全部乗り越えられるから"


お姉ちゃんが前に言った言葉…


お姉ちゃんは私にいろんなことを教えてくれたー…



"ねえ、乃愛? 神様は、乗り越えられない悩みを、渡したりする人じゃないよ?"



深尋が他の女と一緒にいるとこを見て泣いていた時に、お姉ちゃんは囁いた。



" 神様は、乗り越えられる人に悩みを渡すの。大きな物を神様がくれたのなら…その分…神様が"あなたなら乗り越えられる"って信じてる心も大きんだよ"




そうなのかもー……


この五年間…私は自分のことを許せずにいた…


でも…もういいかな……?


きっと、お姉ちゃんを忘れることは出来ないけど…こんなに苦しんできた自分を…許していい頃だと思う…



私はそう…思った。



お姉ちゃんが大好きだからー……



たとえ、みんながお姉ちゃんの事を忘れてしまっても…


私は忘れないよー……




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