はなおの縁~若葉編~





互いの気持ちが通じ合ったあの後、まったくおかしな話だけれど、白昼ということもあって、自分たちがしていることに気がついて二人ともすごく照れてしまった。

正気になって、思わず手が届かないくらい離れて、雨が止むのを待っていた。

しばらく、まともに彼を見ることさえできなかった。

小降りになった雨を見ながら彼はぼそっと、

「夏葉、、、」

とあたしを呼んだ。


ドキン、、、、、。


彼のその声に、胸が波打つ。

そっと、彼を見たら、目があってしまった。

「はい、、、」

彼は至極満足そうに笑った。

そんな彼を見てあたしも笑った。

今思えば、理屈ではなく、ただごく自然にこういうことになっただけなのだ。

本当に、何でもない事だった。










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