大人のEach Love
『私…だけを見て…』
小さな声で不満を漏らすと
貴方は何故か微笑みながら
私を覗き込む…
『…やっと、…言った。』
『俺だけの事を考えて
…不安になってくれた。』
と、貴方は嬉しそうに鼻の下を人差し指で
掻いて見せた…
『本ばかりじゃなくてさ?
たまには…俺だけを見て?』
貴方のその言葉を聞いて
初めて気が付いたの
貴方が私の隣で寝ていたのは
眠いからなんじゃなくて
私が読書に集中している間
淋しい気持ちにさせていたんだと…