大人のEach Love
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送別会は、既に二次会へと突入していた。
二次会は係長の行き付けのスナックだったけれど、それでも私は係長のお酌をしていたんだ。

自分は一滴たりとも飲まずに。

酔っていた人達にお酒を勧められたけれど、片手に烏龍茶を手にしながら
『これ、烏龍ハイなんで。』
と、誤魔化していた。


いよいよ三次会という話が出た時間は、既に日付が変わっていて…。
それでも、私はシュウジとの約束を守りたい一心で、帰る事を伝え席を立ち、出るかも分からないシュウジに電話をかけた。


「お疲れ。何処に迎えに行けばいい?」


数秒の呼び出し音の後、出て直ぐにそう言ったシュウジ。
深夜1時過ぎなのに、その声は疲れや眠さを感じさせなかった。


「駅の北口にある…」


私が場所を説明すると、シュウジは
『直ぐに行くから、店内で待たせて貰って。』
と言い、慌てたように電話を切った。




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