大人のEach Love
「…俺にだけ、君の色っぽい顔を見せて欲しいから。だから、ジン入りなんだよ。」
「えっ…。」
私の方に身を乗り出したシュウジは、触れるだけのキスをして私の肩を抱き寄せた。
シュウジの首筋に頬が触れて、煩いくらいに高鳴る胸の鼓動。
はぁ…と甘いため息をつきながら、その首筋に唇を押し付ける。
休憩室で、シュウジがした事と同じ事をしたかったからだ。
でも…私は女だからコンシーラーでそれを隠すことが出来ても、シュウジは首筋についたそれを隠せない。
部長である彼に、それをしていいのか躊躇してしまう。
それなら…見えない場所なら…と、私はシュウジのネクタイを解いた。
「…首でも俺は構わないよ?」
何をしようとしているか分かったのか、シュウジはさらっとそう言ったけれど…
「シュウジは部長なんだから…ダメ。」
私がそう言うと、シュウジは肩に回した腕を下ろし『君の好きにしていいよ。』と、それだけの言葉を残し私に身を任せた。
外したネクタイをテーブルに置き、シャツのボタンをひとつふたつと解いていく。
シャツから露になった、喉仏下の鎖骨はくっきりとしたラインで。
あまりにも綺麗なそれに指でなぞると、それが擽ったかったのか、シュウジは『んっ…』という声を漏らした。