大人のEach Love



この部屋の薄暗さに目が慣れた頃
僅かな薄明かりを感じ、
その方向へと目を向けると…


リビングの隣にある、寝室からのオレンジ色。


音を立てないようにそっと寝室の戸を開けると
そこには布団に入って眠る、君と愛娘の姿があった。



…寝かしつけていたのか


…良かった…



緊張感から解放されたかのように
『はあ…』
とため息をつく。
と同時に、君が居たことに安心し、
穏やかな気持ちを取り戻す。

君がこうやって居てくれる事が、
こんなにも嬉しいだなんて。


俺自身が家族を支えていると思っていた。
だけど、君が俺を支えてくれているからこそ
出来る事なんだ。


枕元にあるスタンドライトを弱にして
スイッチを押す。


愛しさを胸にして、君を覗き込むと…


君は頬を赤くさせ、額には冷却剤を貼り付けて
眠りに落ちていた。



< 169 / 266 >

この作品をシェア

pagetop