大人のEach Love
もしかして…
寝かしつけているとかじゃなく、
体調を崩していたのか?
だけど、今朝はそんな素振りは少したりとも
感じさせなかったのに。
「無理して、笑っていたのか…?」
…俺に、心配をかけさせないように。
眠る君の脇に腰を下ろし、
その頬に手を添えた。
熱はさほど高くはないようだけれど、
それでも微熱程度はありそうだ。
頬が、赤みをさしているのは
この微熱のせいだろう。
頬に添えた手を撫でるように滑らせると
君はうっすらと、少しずつその目を開いていく。
「…悪い。起こすつもりは…」
「…お帰りなさい。」
君は、俺の言葉を遮りながら
柔らかな笑顔を浮かべ、言葉を続けた。
「ごめんなさいね…?
うっかり寝てしまったみたい。私。
直ぐ、お夕飯の準備をするわね。」
そう言いながら、起き上がろうとする君。
俺は君の肩に手を添えて、それを制した。