大人のEach Love
私の流した涙に気付いたキミは、
背後からギュッと抱き締めた。
「僕じゃ、…イヤ?」
その言葉に、勢いよく首を横に振り、
「僕のこと、…好き?」
という言葉に、勢いよく頷いて見せた。
「でも…怖いの…。」
本心を吐き出した皮切りに、
私は胸中に抱えた気持ちを一気に吐き出した…
「私っ…キミより歳上だしっ…。」
「キミは、
カレカノを求めているかもしれないけど、
私は、それじゃあ、不安なの…。」
「だから…っっ、
好きだけど、縛りたくないの。キミの事っ。」
「好きだからっっ…!!」
鏡を見ててって言われても、
見てなんて、いられない。
…こんな自分の泣き顔なんか。
いい歳こいて、何やらかしてんの…?
私…
泣きじゃくる私の背後から、
強く、強く、抱き締める彼。
ああ…終わったな…。
こんな、重い、想いをぶつけられたら
誰だって、逃げたくなる。
だから、この抱擁は、
きっと、この恋の【終わり】なんだ…