大人のEach Love
Union.
--- カラン…
グラスに入ったウィスキーを飲み干した。
キープしていたボトルを揺すってみても
水音は少し足らずも響かない。
マスターにボトル追加をしたけれど、
『今夜はダメだ』
と拒否される始末。
『俺は客だぞ』と文句のひとつも
吐き出せば良いのに。
それをしなかったのは、マスターが俺の幼馴染みだからだ。
コイツは、俺を良く分かっている。
俺自身よりも、だ。
確かに、飲むのを止められても仕方がない。
既に、千鳥足どころか歩けもしないだろう。
酒に弱い方ではないけれど、
流石に今夜は飲み過ぎた…。
まさか、俺の目の前で
お前が他の男とキスをするだなんて。
お前が俺に気付いた時、
なぜ、笑った……?