大人のEach Love


ゆっくり後ろを振り返ると、そこには見覚えのある脚が目に入った。

色白で細くてスラッとしたその脚は、またしてもサブリナの下に隠れている。


ここ最近サブリナパンツの女性が多い気がするのは気のせいだろうか?

いや、気のせいじゃないよな…
このカフェスペースに数名は居るだろう。


「本当、アキラ君は相変わらずなのね?
あたしじゃなくて、脚を見るだなんて。
顔を見たらどうなの?」



そう言う彼女にしたって相変わらずだと言いたい。
彼女は自分の容姿に余程の自信があるのだろう。
だから、脚ばかりを見ていた俺に腹を立てたんだ。


そう。
目の前に立つこの彼女は、俺が3年前に付き合っていた相手であり、俺に『キモいのよ!』と言った張本人だった。

タケルが言っていた通りの『面倒な事』に、
『確かに』と頷きたくなる。



「隣に座ってる子は?
アキラ君て、妹はいなかったよね?」


「私は、妹じゃないですよ。」


こうやって話し掛けてくる彼女に対しては何も思わなかったが、俺が答える前に言葉を発したレイナに、驚きを隠せなかった。



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