大人のEach Love
レイナが口を開きかけると、それを知ってか知らずか彼女は自分本意に話し出す。
「まぁ…、誰でもいいんだけどね?
アキラ君、またあの時のみたいに【ウソ彼】してくんないかな?
隣に居てくれるだけでいいから。
ほら…前みたいに好きなだけ脚を見ててもいいから。」
「そんな事をした覚えはない。
『脚と会話してるみたいでキモい』って言ったのは君の方だろう。」
「見た目だけでも良い男って、早々いないのよねー…。友達に自慢したいだけだからさ?
お願い…アキラ君…。」
彼女は、色気を含んだ声色でそう言いながら、俺の背に手を滑らせる。
そうされても何も感じなかった。
というよりかは『触るな』くらいに思っていたかもしれない。
だが、こんなに人が多い場所で騒ぎ立てたくもなかったし、素っ気ない態度で流していればその内諦めるだろうと思っていたんだ。
俺の背を撫でていた彼女の手。
その手が下に降りてきて、俺の脇腹にさし掛かったその時…
突然レイナが…
「ねぇ?オバサン。
オバサンの脚より、私の脚の方が良いに決まってんじゃん?
早くどっかに行きなよ?邪魔なんですけど?」
ぶちキレ出した…。