大人のEach Love
レイナに『オバサン』呼ばわりされて腹を立てたのだろう。
化粧をしているはずの彼女の頬は、チークとはまた別の赤さを露にさせた。
「な、何なのよその子?!
大して可愛いわけでもないのにっっ!」
怒鳴り出した彼女を見ながら、飄々とした表情をしているレイナ。
冷静…という雰囲気ではなさそうだ。
レイナは、目を座らせながら怒りをぶつけてきた彼女を睨み付けている。
「私は別に可愛くもないよ。
だけど、オバサンは性格が可愛くないよね。」
「ーーーっっ!!…このっっ!」
その止めの台詞に、彼女はレイナに向かって右手を振り上げるのが見えて…
レイナを背にしながら立ち上がり、振り上げられた彼女の手首を掴み挙げた。
「レイナがすまない。
だが、君もどうかと思う。
もう、街で偶然俺に会っても、構わないでくれないか。」
掴んだ手を離しながらそう言うと、彼女は
『脚フェチのキモい男なんて、
こっちから願い下げよ!』
と、捨て台詞を吐き出しながら街を歩く人込みの中に紛れて行った…。