大人のEach Love



何がどうなって、こんな事になったんだ?!


いや、レイナが抱き付いてくれている事は嬉しいけれど、こういう事は今まで一度たりともなかったのに。


「…レイナ?どうかしたのか?」


「こっち見ないでよっ!オッサン!!」


「………。」


…言葉だけはいつも通りだな。

だが今日は休日で、この公園には人通りも多いい。
そんな中、スーツを着ている俺と、ホットパンツを履いているレイナは『兄妹』というよりは、まるで…。



「ママ見てぇ!
お姉さんがおじちゃんにギューしてる!
ママもボクにギューってしてー!!」


「し、してあげるから、あっちに行こうね?」


そんな会話が聞こえてきて、横目にその親子の方に目を向けると、母親が子供の手を引きながら慌てて歩いて行くのが見えた。


…俺。
完全に怪しい男に見られているらしいな…。



「レイナ。一度、離れてくれないか?
俺、今はスーツ着ているし。援交に間違われそうだ。」


すると、レイナは巻き付けた腕に力を入れながら首を大きく横に振ったようだった。



「…ダメ!!
オッサンも、早く消しなさいよねっ!」



……は?




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