大人のEach Love



突然、『消しなさいよね』って何の事だ?


室内ならば明かりの事なのかもしれないが、ここは雲ひとつない晴天下の屋外。

レイナが、こうやって俺に抱きついている事をか?
嬉しい記憶を消す気はないが、それならまずレイナが離れるべきじゃないのか?


「…レイナ。
消すもなにも、消せるわけないだろう?
いいから、腕を放…。」


俺の腹部に巻かれたレイナの腕。
それを掴んで解こうとしても、レイナは離そうとしない。


強情な所も可愛いが、今はまずレイナが何を言わんとしているのかを顔を見ながら聞きたい。

俺が再度、レイナを振り返って見ようと身を捩ると、レイナは突然腕を解き放ち、今度は俺の背中を突き飛ばした。



「何なわけ?!
アキラは、あのオバサンがイイわけ?!」



今度は、何でオバサンが出てくるんだ。
オバサン……て、元カノの事か?

何で彼女の事が出てくるんだ。

何でレイナは、涙を浮かべて…


いや、待て。

レイナが…俺のこと…



「アキラって言った…。」



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