大人のEach Love
「は、話をそらすなっつーのっっ!!
性格悪いオバサンの方がいいのかって
聞いてるんだけど!!」
こういう風に取り乱しているレイナを目の前にするのは初めてで、どうしたらいいものかと頭を悩ませた。
そもそも、何で元カノの事をそんな風に意識しないとならないんだ?
レイナが、何で突然キレ出したのかも分からないまま。
レイナが言った…
『消しなさいよ』
『オバサンの方がイイわけ?』
という言葉も。
元カノに係わった事なんだろうが、根本的な【何か】までは、どれだけ考えてみても思い付かなかった。
「…レイナ。
ひとつひとつ、しっかり教えてくれないか?
『消せ』というのは、何をだ?」
「…あのオバサンとの事だし。」
「過去の話をか?
それなら、もうとっくに忘れていたよ。
消そうとするまでもない。」
思ったままをレイナに向かって言ってはみたものの、レイナは納得がいかなかったのか、俺の言葉を否定した。