大人のEach Love




「過去の事じゃないしっ!!違うしっ!!」


「じゃあ、何を消せって…」


「オバサンが触った背中の感触をだよっ!!」



背中の感触を、消せ…?



レイナは、元カノが俺に触れた事に腹を立てているのか?

それじゃあ、レイナが俺に抱き付いて来た時に言った『オッサンも消しなさいよね』の台詞。

『オッサンも』という事は
『レイナも』という事だ。

俺に抱き付く事で、彼女の触れた手の感触を
…消そうとしたのか?


それじゃあまるで、レイナが俺のことを好きで
焼きもちをやいたみたいじゃないか。



まさか…な。



「あ…えっと…だな。
さっきレイナが抱き付いていたから。
…消えたよ。感触は。」


俺がそう言うと、レイナは顔を真っ赤にさせながらスーツの裾を掴み…


「触られてんなよ!!
アキラの背中を触って良いのは…っっ。
…私だけなんだかんねっっ?!!」


ツンデレなレイナの【デレ】を、俺に初めて見せてくれた瞬間だった。




< 219 / 266 >

この作品をシェア

pagetop