大人のEach Love



そんなの…。

そんなの知らない。

彼は何も言わなかったから、まさか彼女がいただなんて。


知らなかった事や、それでも離れたくはないという事を先輩に言う、私。

彼にも話を聞いてから考えようと思っていた、私。


そう言った私に、先輩から聞かされた言葉を忘れない。


『アイツの彼女。
突然'"別れてくれ"って言われたらしくて…
泣いてたんだよ。
誰かの気持ちを傷付けた事だけは、忘れないようにしなさいよ。私が言いたいのはそれだけ。』


突き付けられた【横恋慕】の事実に
胸を痛めた…。


昔から、友達と同じ人を好きになっても、気持ちをセーブしていたし、その気持ちすらも話さなかった。

彼女がいると知っていたら、どんなに好きでも諦めていたはずなのに…。

だからといって、知らなかったからといって、
私が彼女を傷付けた事には変わり無い。


私は、どうしたらいいのか分からなくて、
ただただ早く彼に会って話がしたかった…。



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