大人のEach Love
--- その日の終業後。
私は同期の友人と二人で食事をして帰る事になった。
友人と更衣室で出会した時に、友人の方から誘ってくれたからだ。
実家から通勤していた私は、慌てて自宅に電話をして夕食の準備は必要ない事を伝え、着替えを済ませた友人と二人で職場を後にした。
友人のお気に入りである居酒屋に入ると、適当な料理を頼み先に頼んだ生ビールで乾杯を交わす。
生ビールと一緒に置かれた、お通しの枝豆に手を伸ばしたところで、友人の尋問が始まった。
「最近さ?何、暗い顔をしてんの?」
その友人の問い掛けに、私は驚きを隠せなかった。
いくら気持ちが落ちているとはいえ、それを出さないように気を引き締めていたつもりだったから。
「何、突然…っ。」
驚きながら答えた私に、友人は大袈裟に溜め息をつくと『何言ってるの?』と言わんばかりに話し出した。
「暗い顔。隠しきれてないんだけど?
アタシが知らないとでも思ってんの?
あんたとあの二人の事。」