大人のEach Love
「彼の事は分からないけど…。彼女は別れるつもりは無かったんじゃないかな…って思う。」
「でもさ、結婚ってなったら二人が同じ気持ちでなければ出来ないし。好きなら別れたくないだろうけど、あの男があんな状態ってどうなわけ?」
「あんな状態って…。」
私の言葉を聞いた友人は、額に手を当てて
『そんな事にも気付かないって、どうなの?』
と、大きな溜め息交じりに話し出す。
彼女への不満を持ち出して、他の女性にも手を出そうとしていた事。
私と付き合い始めて、彼女が彼に「死んでやる」って言っていた事。
「だから、別に相手があんたじゃなくっても、
あの二人は結局別れてたんだって。
あんな脅し文句にびびって復縁とか、上手くいくわけない。」
知らされていく彼と彼女の事に、私は身体中の力が抜けていくのを感じていた。
私は…何をやっていたんだろう…。と。