大人のEach Love
元彼女に脅されて復縁し、何もかもを奪い去られてしまった事が原因なのかもしれない。
おまけに、こうして私から言い寄られる事が決定打になってしまったのかもしれない…。
私が、もっと慎重に冷静に話していれば、こうはならなかったのだろうか?
もっと、もっと、彼を癒してあげる事に重点を置いて、自分の気持ちを隠し支えてあげるべきだったのだろうか?
どこまで我慢すれば良かったの?
…私は…。
そうやって自分を負の感情に陥れていると、彼は『すまない。』とだけ呟いた後、席を立ち店を後にした…。
一人残された、この喫茶店。
私はそこで、他の客やマスターに気付かれぬ様にして、静かに涙を流した。
「彼が好きなだけのに…」
…と呟きながら。