大人のEach Love


人ってね?
心身共に大きなダメージを受けると、寄せられる期待がどれだけ重荷になるのか分かってる?


「…私は、…彼の重荷になんて、なってないっっ!」


…本っ当。
自分自身とは思えども、その馬鹿さ加減に呆れるわ。

あなたは、あの男に良い様に丸め込まれた挙句、横恋慕という厄介な事に巻き込まれた。


「丸め込まれてなんて…。
もしも、そうだったとしても、そうじゃないって証明すればいいだけじゃない!!



...そんな中

あなたは、あなたに付け入る隙を他の男に見せて、今に至ってるんじゃないの?

…その涙は、お飾り的な何かなのかしら?


「…っっ。」


泣きたくて泣いたんじゃない。
勝手に【心】が痛みを感じて、勝手に流れただけよ。
気持ちが行動に出来ていない自分が情けなく思っただけ…。


歩行者信号が青に変わっていたはずなのに、その青はまた、点滅を始め、赤を灯した。


まるで、自問自答している私を
これ以上歩ませまいと拒否するかの様に。


サ―――ッという音だけが、私の耳に響いていた…。




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